1泊2日の長崎旅行。
今回は、あまり観光地として知られていないけれど、個人的におすすめしたい場所「二十六聖人記念館」「山王神社」、そして長崎でいただいた卓袱料理(しっぽくりょうり)について記載します。
異国情緒あふれる美しい場所として知られている長崎ですが、過去には悲しいことがありました。
それは、「キリスト教の迫害」と「原爆」です。
「二十六聖人記念館」「と「山王神社」。
どちらも、悲しい出来事があった場所ですが、
悲しさを乗り越えて生まれた、美しさやパワーを感じる場所でした。
他の長崎を観光した記事はこちらから。
長崎港からフェリーで「軍艦島」へ。廃墟界の王ともいわれる軍艦島を拝みました。
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大浦天主堂、グラバー園、眼鏡橋など長崎定番の観光地を巡った記事はこちらから。
グラバー園へのおすすめのルートについても紹介しています。
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夜は「稲佐山展望台」で夜景を楽しみました。
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美しい彫刻と独創的な建築を堪能「二十六聖人記念館」
二十六聖人記念館とは
1597年、豊臣秀吉の命令で日本で初めてキリシタン26人が処刑されました。
その26名が十字架にかけられた場所に建つ記念館です。
キリシタン文化や迫害を受け殉教した人々のメッセージを伝える施設です。
(※殉教:自らの信仰のために命を失うこと。)
この二十六聖人記念館は、建築家の今井兼次(いまいけんじ)、彫刻家の舟越保武(ふなこしやすたけ)という、どちらもキリスト教徒であり日本を代表する芸術家によって作りあげられました。
二十六聖人の記念碑「昇天のいのり」
記念館に行く前に目に飛び込んでくるのは、舟越保武が制作した記念碑です。
キリストが十字架に架けられたエルサレムの「ゴルゴタの丘」に似ていることから、「この場所で処刑を」と願い出たといわれています。
舟越保武の彫刻は、どれも気品と静謐な美しさをまとっていて好きな芸術家の1人です。
こちらの作品はまさに圧巻のひとこと。
この彫刻を見るだけでもこちらに来る価値があるのではないでしょうか!
処刑された彼らを見たのでは?というほど、それぞれ立体的で表情があります。
想いを込めて制作されたことが伝わってきます。
26人の中には子供が含まれていたこともわかります・・・。
よく見ると足が浮いていて、26人が天に昇っていく瞬間のようです。
静かな気持ちで記念碑を眺めていたら、猫が通りかかりました。
のんびり歩くねこちゃんは、平和な世を象徴するよう。
少しほっこり。
二十六聖人記念館の独創的な建築
二十六聖人記念館は貴重な資料が多い記念館として知られていますが、建築を見るのが好きな私は、まず建物に心を奪われました。
※建築は詳しくなく、眺めて楽しむ派です。
記念館の前には石を使った大きな作品がありました。
処刑された26人は、見せしめのために、京都から長崎までを歩かされました。
その苦しい道のりを表現した作品だそうです。
26個の丸い石は葡萄の実で、26名の犠牲を意味しているとのこと。
「私は葡萄の木であなた方は枝です」というキリストの有名な言葉があります。
26人が神と繋がり、豊かな果実を実らせた様子が表現されているのかなぁと想像しました。
可愛らしい入り口
記念館を入ると、また石のレリーフがありました。
あらゆる所に装飾が施されていて、見どころが多すぎる。
装飾も今井兼次によるもので、この記念館にかける想いが伝わってきます。
館内にはたくさんの資料が展示されていて、記念館というより美術館のようです。
美しい羊革の聖歌集など、キリスト教徒ではない私も惹かれるものが多くありました。
2Fには「栄光の間」という場所があり、
ここには殉教した聖人の遺骨が納められています。
遺骨が置かれているというと、どこか怖いような気がしますが、ここはとても穏やかであたたかな雰囲気がありました。
建築家の表現の力は大きいですね。
特別な場所というのが自然と伝わります。
天井のデザインがとても魅力的。優しい光がふわりと部屋を包み込んでいます。
なんとも不思議な空間なので、ぜひ体感していただきたいです。
数々の展示品は、歴史的価値を抜きにしても心惹かれるものが多く、時間が許せば半日、いや1日じっくり見て回りたいなぁと感じました。
長崎でまた訪れたい場所のひとつです。
聖フィリッポ西坂教会(カトリック西坂教会)
記念館のすぐ側に教会もあり、こちらも見学させていただきました。
こちらも独特な外観。
一見では教会とはわからない、不思議な建物です。
こちらも、二十六聖人記念館と同じ今井兼次の設計です。
今井兼次は、スペインの建築家「アントニオ・ガウディ」を日本に紹介した人物でもあります。
ガウディといえば、「サグラダ・ファミリア」!
こちらの塔、ガウディを感じませんか?
もう少し近づいてみます。
うねっているように見え、どこか生き物のようです。
不要になった陶片を集め、貼り付けていったそうです。
手間がかかっている!
教会の中も、動きのある装飾と幾何学的なステンドグラスが混ざり合い、独特な柔らかい雰囲気がありました。
記念館も教会も、これほど独創的な建物は珍しいのではないでしょうか。
見どころが多すぎて紹介しきれない・・・!
山王神社(被爆を耐えた「クスノキ」と「鳥居」)
山王神社は創立1638年の歴史ある神社です。
1945年8月9日。
長崎に原子爆弾が投下されました。
爆心地から約800メートルの場所にあった山王神社は被爆し、
その時、山王神社には2つの奇跡が起こりました。
山王神社の「被爆クスノキ」
多くのものが爆風で吹き飛ばされましたが、山王神社にある楠は残りました。
幹や枝などの一部は吹き飛んでしまい、木肌も焼かれ、一時は枯れ木のようになっていたそうです。
ある日、芽吹き始め、現在まで残っています。
原爆を乗り越えた樹齢500-600年のクスノキを見て、当時の人たちは復興への希望を感じたと看板に書いてありました。
再生のシンボルとして、またパワースポットとしても知られています。
伺った時は、ちょうどメンテナンスをしていました。
木に空いた穴には、吹き飛ばされてきた小石がぎっしりと詰まっていたそうです。
たくましく太い幹に多くの枝葉が繁っていて、力強い生命力を感じました。
山王神社の「一本足鳥居」
強烈な爆風で左半分が飛ばされて右半分だけ残っている鳥居です。
綺麗に半分残るなんて・・・。
こんなことが起こるんですね・・・。
奇跡としか言いようがありません。
少し歪んでいるのは、爆風で歪んでしまったそうです。
倒壊した方の鳥居がそばに置いてあります。
横たわりながら、右半分で立っている鳥居を近くで応援しているようにも見えました。
長崎の文化が作った「卓袱(しっぽく)料理」(坂本屋)
長崎のグルメといえば!
角煮まんじゅう、ちゃんぽん麺、トルコライスなどありますが、
今回挑戦したい料理がありました。
それは・・・。
「卓袱料理(しっぽくりょうり)」です。
卓袱料理は、日本、中国、スペイン、ポルトガル風のアレンジを加えた独特の接客料理。
様々な文化が入り混じった長崎ならではの料理です。
明治27年に創業した「坂本屋」さんでいただきました。
入り口も雰囲気があります。
打ち水がされていて、自然と背筋が伸びます。
幸運にも個室を案内していただきました。
とても素敵な部屋で、隅々とじっくり観察しました。
数寄屋造りでしょうか。
趣のある作りになっています。
少量の料理を少しづつ出していただきました。
卓袱料理は「お鰭(ひれ)」というお吸い物から始まり、「おひれをどうぞ」と言われてからいただくそう。
鯛の切り身、おもちなどが入ったお吸い物で、こちらを頂いてから他の料理をいただきます。
坂本屋こだわりの「東坡煮(とうばに)」(豚の角煮)は絶品!
調べたところ、オンラインでも購入できます。
東郷青児や山下清も来ていたそうで、山下清の直筆の絵が飾ってありました!
日本の芸術家も訪れた場所で、長崎の歴史を感じながらいただく料理。
最高に贅沢な時間を過ごしました。
今回訪問した「二十六聖人記念館」「山王神社」。
今回の旅行で初めて知りました・・・!
人気の観光地、長崎。
「こんな素敵な場所があったんだ!」と感動したので、今回記事にしました。
少しでも魅力が伝われば嬉しいです。
また、歴史の教科書で勉強した「卓袱料理」をいただくことができたのも良い思い出です。
今回の長崎旅行。
宿泊したホテルは、2021年に長崎駅前にできた「ヒルトン長崎」。
宿泊記はこちらから。
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他の長崎にまつわる記事はこちらから。
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その他の旅行記はこちらから。
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