前回に続き、東京の建物探訪。
前回の記事はこちら。
thecorneroflife.hatenablog.com
アールデコ装飾の名建築 東京都庭園美術館
1933(昭和8)年建築の朝香宮夫妻の邸宅。
アールデコ装飾で統一されています。
<アールデコとは>
1910年代半ばから1930年代にかけて流行した装飾様式。
幾何学模様が使われていたり、直線的なスタイルが多く見られます。
庭園美術館の設計は、宮内省内匠寮の建築家で近代的な西洋建築にも造詣が深かった権藤要吉(ごんどう ようきち)。
主な部屋の内装は、「アールデコとは!」というと真っ先に名前が上がる、ガラス工芸の「ルネ・ラリック」や室内装飾の「アンリ・ラパン」に依頼したという、超贅沢な建物です。
戦後、これまで皇族は税金を免除されていましたがアメリカのGHQによって免除は廃止され、全財産の79%の税金を課せられることに・・・。
持ち続けることが難しく、朝香宮は1947年に手放します。
その後吉田茂が外務大臣の公邸として使用、その後には迎賓館として使われたり、プリンスホテルの本社になった後、東京都に売却されて美術館になりました。
いろいろな人達の手に渡りながら、外装と内装が元のままに残っているのは奇跡ですね。
当時は家具なんかも沢山あったそうですが、残念ながら美術館になる時に手放してしまったそう。
そのまま残っていたら、さらにアールデコの住まいを見ることができたのにと思うと残念です。
入り口のルネ・ラリックのガラスレリーフ。
型押しガラスの大作です。
こちら、4つも並んでいます。
入り口のモザイク
こちら全て天然の石の色を生かして作られているそう。
素敵!
大広間の照明
モダンですね!アールデコですね!
香水塔
東京都庭園美術館の代表的なオブジェですね。
セーブル焼で作られたこのオブジェは、上部に香水をかけて照明の熱で部屋に香りを広げていたといいます。
優雅〜。
ロイヤルコペンハーゲンのペンギンオブジェ
なんて可愛いのかしら!
大客室の照明
こちらもルネ・ラリックの制作によるもの。
扉の飾り
鉄工芸家のレイモン・シュブによるもの。
アールデコを代表する作家で豪華客船の装飾も多く手がけたそうです。
大食堂のルネ・ラリックの照明
パイナップルとザクロがデザインされています。
天井と照明をつなぐ部分もガラス!
植物模様の壁
レオン・ブランショによる壁。コンクリート製でフランスから送られきたけれど、ひび割れてしまっていたそう。
日本で型を取り、石膏で作り直した後、塗装をして仕上げられました。
日本とフランスの共作ですね!
階段
大理石を3種類も使った階段。(わかりますか?右から、ブラック、ライトブラウン、ホワイトの3種類ですね。)
嵌めこまれた金物はブロンズ製。
この階段も直線的なデザインで「アールデコ」という感じですね。
階段から見上げると見える照明もとてもかっこいい。
ガラスの扉も良い雰囲気
ドアノブなど細かいところも装飾的
2階の照明も素敵なものがいくつもありました。
外へ出たところ、可愛らしい装飾を見つけました。
バルコニーも外から見ると面白い装飾になっていました。
建物探訪の後は日本庭園を散歩。
贅を尽くした旧朝香宮邸。美術品がなくても見どころ満載!
素敵なものを沢山見て、幸せな気分になります。
村野藤吾設計のグランドホテル新高輪
村野藤吾が設計したグランドホテル新高輪にバスで移動。
グランドプリンスホテル新高輪は1982年に開業したホテル。
村野藤吾の特徴(だと勝手に思っている)の、生き物のような感じが見られました。
入り口から、大きくうねっています。
半円のバルコニーの装飾が並ぶと圧巻。
近くで見ると半円型と装飾が相まって、愛らしいバルコニーです。
ロビーの壁面に、陶器のオブジェ。
小山敬三の「紅浅間」
大きな作品で、とても迫力があります。かっこいい!
1975年に、村野藤吾が「小山敬三美術館」を設計していることを考えると縁がありこちらにあるのだと思います。(ホテルの開業は1982年)
大宴会場の「国際館 パミール」へ向かう廊下は、ほのかに近未来的で独特の雰囲気がありました。
パミールの入り口。
こちらも「ひさし」、「天井」、「入り口」のデザインなどおもしろくて、見入ってしまいました。
本で見たところ、宴会場も素敵な設計になっているようなので、いつか見てみたいです。
前回に続き、今回も素敵な装飾や建築を見て大満足!
美術館も良いですが、過ごしやすい季節は建物を巡るのも楽しいです。
古くからのデザインや建築が保存されて、今も楽しめることに感謝です。
建物探訪、建物散歩は続けたいと思いますので、また記事を掲載したいと思います。
建物探訪、建築散歩の参考にした本はこちら。
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